懐かしい記憶の中に生きている生き物

子どもの頃、不思議な体験をしたことがあります。
私が育った場所は、良く言えば自然がたくさんあってのんびりとした癒しの場所。
悪く言えば、お店も遊ぶところもない寂しい場所。
ただ、そこしか知らないで育ったわけでですから、それはそれで楽しくて満足はしていました。
近くには、まだメダカもいてそれがとても可愛くてずっと見ていたことを思い出します。
それに大きくて真っ黒な貝もいましたし、腰が抜けそうなサイズのカエルなんかもいて、びっくりしたこともありました。
蛇もいましたし、とにかく色んな生物や動物が身近で、上手く共存できていたのだと思います。
ある日の事、弟と一緒にいつもの所に遊びに行くと、水たまりの中に見たことが無いような生き物を発見しました。
イモリのような感じもするのですが違います。
イモリもあちこちにたくさんいましたから、それとの違いは分かりました。
とうとう、あれが何だったのか分からずに来てしまいましたが、今でも頭にはっきりと焼き付いているのです。
数十年経った今、生まれた家に行った時に同じ場所を確認してみたのですが、その生き物はいませんでした。
メダカもいませんでしたし、広いと思っていた原っぱもさほど広くはありませんでした。
川も、記憶していたよりも小さいものでした。
子供の頃と今比較してみても、見ていたもの感じていたものが違うことが分かります。
あのイモリのような生き物は、小さな弟と冒険していた懐かしい思い出の中だけに存在する、やっぱり不思議な生き物なのかもしれません。

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